今年の地域安全作文の入選者が決定し、去る10月18日開催された「第28回全国地域安全運動福島県民大会」の席上発表されました。入選の方々は次のとおりです。おめでとうございます。なお、最優秀作品を掲載しました。

1.小学生の部
最優秀作品 川俣町立飯坂小学校    菅野 成美 「見守ってくださる地域の皆さん」
優秀作品 浪江町立請戸小学校    山形 史佳
小野町立小野新町小学校  吉田 有沙
「地域の安全確保と大切な心づかい」
「地いきの安全のために」
佳作 三春町立三春小学校    宍戸 優香
浪江町立幾世橋小学校   横山 智美
塙町立常豊小学校     根本 静香
「やくそく」
「防犯教室の大切さ」
「たった一つの命」

2.中学生の部
最優秀作品 いわき市立湯本第一中学校 橋本 歩 「みんなに優しい町づくり」
優秀作品 伊達市立伊達中学校    有馬 詩織
浪江町立浪江中学校    豊島 瑞希
「地域の安全のために」
「自分を守る」
佳作 浪江町立浪江中学校    日下 紗織里 
浪江町立浪江中学校    星 ひかり
白河市立白河中央中学校  青木 大輔
南相馬市立原町第一中学校 松井 鮎香
「地域の安全のために」
「連携プレー」
「地域の安全性」
「身近な安全」



 私たちは、毎日当たり前のように登校し、楽しい学校生活を送り、下校しています。  本当に何事もないかのように生活していますが、高学年になってから、いろいろなことが分かってきました。同時に、多くの方に見守って頂いていることを実感するようになりました。
 不審者と呼ばれる人が増えてきました。一人の不審者が出ると、大きな騒ぎになります。他の学校の子どもが声をかけられただけでも、先生方から気をつけるようにと注意されます。大きな声を出して逃げること、一人で歩かないこと、だらだら歩かず、しっかり並んで歩き、早めに家に着くことなど、何度も耳にしました。
 他の学校の話なのに迷惑な話だなあと思いながらも、いざ一人になった時に、変な人に連れて行かれたりしたら、本当にこわいと思います。
 どうして大人なのに、変なことをする人がいるのかなあと悲しくなったり、怒りたくなったりしますが、こわいことは間違いありません。早く大人になって、そんな変な人を捕まえたくなります。
 下校する時、安心して家に着くことができます。それは、見守り隊の方がたくさん立っていてくださって、不審者が声をかけるすきを与えないからです。
 飯坂地区の見守り隊の皆さんは、とても親切で、やさしい人ばかりです。あいさつはもちろんですが、こんな声をかけてくださる方もいらっしゃいます。
「今日は暑かったから、疲れたでしょう。ゆっくり休みなさいよ。」
 昔は、地域の中で、子どもたちだけで、集団で遊んだと聞きました。そうできたらいいなあと思いながらも、その分学校で遊んだりスポーツ少年団で頑張ったりできます。安心して遊ぶことができます。
 見守り隊の皆さんが、私たちを守ってくださるだけでなく、いつも励まして元気をくださっているように思います。それは、いつもこんな声に聞こえるからです。
「学校で勉強や運動をがんばりなさいね。友だちとも仲良くしてくださいね。応援しているよ。」
と。
 飯坂小学校では、一年間見守り隊の皆さんにお世話になっていることを感謝して、十月に盛大な「収穫祭」を行っています。
 六年生の育てた米を使って、餅つきをします。そして、しょうゆ餅やあんころ餅、きなこ餅などをつくって、ごちそうします。六年生からは、米ができるまでの発表があります。「収穫祭」は、見守り隊の皆さんはもちろん、学校の行事や授業などでお世話になった皆さんをお招きして行われます。
 おいしい餅を食べながら、体育館に座布団を敷き、その上に座って一緒にいろいろな話をして楽しみます。とても楽しい時間です。
 見守り隊の皆さんは、お父さんやお母さんの名前を教えるよりも、おじいさん、おばあさんの名前を言った方がよく分かります。地域の方ばかりなので、よく知っておられます。ますます話が弾みます。
 去年は、学校で育てた葉ボタンの鉢植えも差し上げました。
 見守り隊の皆さんと心の交流もできて、とてもうれしい気持ちです。
 地域の方と親しくなり、励まして頂くと、
「飯坂ってすてきなところだなあ。」
と思えてきます。なぜかというと、自分の孫でもないのに、自分の孫のように大切にしてくださるからです。
 なかなかうまくいかない時、
「自分はやってもだめなのかなあ。」
とあきらめてしまうことがよくあります。でも、下校の時など、見守り隊の皆さんに、
「今日は、暑かったね。」
「気をつけて帰ってね。」
「また、明日も頑張ってね。」
「さようなら。」
とあたたかく声をかけて頂くと、ほっとします。そして、落ち込んだ気持ちも少しずつ立ち直ってきます。
「自分を応援してくれる人がたくさんいればいるほど、頑張る気持ちは強くなるんだよ。だから、ひとりひとり他の人を励ますことのできる人間になろう。」
と、よく担任の先生がお話しされますが、なるほどなあと思います。誰も自分の味方がいないと思うと、どんどん元気がなくなってしまいます。でも、自分に声をかけてくれたり、励ましてくれる人がいると思うと、元気になります。
 私は、見守り隊の皆さんにたくさんの元気を頂いているように思います。深く感謝しながら、私も他の人を元気にできるような人間になりたいと思います。




 よく、「地域安全活動」という言葉を耳にするが、意味が漠然としていて、どのような活動なのか分からなかったので、夏休みを利用して少し調べてみようと思った。
 そもそも、「地域安全活動」というのは、以前、防犯活動のことをさしていたそうだ。しかし、「防犯活動」とは、犯罪を未然に防止する活動という意味だが、実際生活を営むにあたって、犯罪に限らず災害や事故など様々に不安に思っていることがある。そこで、安全で住みよい地域社会を実現するため、犯罪の未然防止に加え、市民生活に危険を及ぼす災害や事故などの未然防止活動、さらには被害の拡大防止や早期回復などを含めた活動を言い表す言葉として、「地域安全活動」という表現を使うようになったそうだ。
 調べるうちに、「地域安全活動」とは、中学生の私にもできる、大変身近な活動だということに気付いた。
 私の住んでいる所は、近くに温泉施設があり、観光客が多い。観光スポットだけあって街の中は飲食店が多く、特にお酒を扱っているお店がほとんどで、酔った人たちが大騒ぎしている時がある。
 以前、私は「怖いな」と思った経験をしたことがある。それは、夏休みの講習会の帰り道、家の近くのコンビニに寄った時だった。知らない男の人たちに「今から遊びに行かないか?」としつこく声を掛けられたことがある。幸い、親と一緒だったので逃げることができ、何事も起きなかったが、その後もその人たちは女の人に声を掛け続けていた。
 コンビニには、いつでも非難できるように表示してあったが、店内は忙しそうで、声をかけられている時も、買い物にきた大人の人たちは見ぬ振りをしていた。その時、何で助けてくれないのかと不思議に思ったが、後になって考えてみれば「自分には関係ない人で、しかも何か言ったら自分が危ない」という気持ちになったのかなと思う。見ず知らずの人を助けたり、声を掛けてあげたりすることは難しい。しかし、万が一私のことを知っている大人が近くを通ったり、お店の人が気付いてくれれば、怖い思いをしなくて済んだはずだ。
 この話を知り合いに話したら、以前同様なことがあったという。中学生が一人で下校していた時、ちょうど部活で遅くなってしまって、周りは真っ暗、時折車が通る場所で突然声を掛けられ、車に連れ込まれそうになったということがあったらしい。その時はうまく逃げることができたらしく、特に事件にはならなかったと言っていた。次の日学校に報告して、その後父兄が見回りなどをしたらしいが、事件が忘れられていくと同時に、見回りもなくなったという。
 即席の見回り当番では、途中でなくなってしまうのは仕方のないことだと思う。このような事件を防ぐためには、遅くなったら親に迎えに来てもらうのも手だ。だが、迎えに来られない時や、やむを得ず一人で下校しなければならない時は、やはり近所の人の存在がとても安心感を与えてくれる。見知った人の家が近くにあれば、すぐ逃げ込んで助けを求めることができる。
 そうなるためには、自分から毎朝あいさつをして、顔を覚えてもらうことが大切だと思う。コンビニのときのように、知らない振りをされてしまうことがないとは言い切れないからだ。中学生だから、誰かに助けてもらうという考えではなく、私もこの地区の住民の一人という自覚を持ち、積極的に声をかけていきたいと思う。何か困っている人がいたら、私も力になってあげられるように努力していきたいと思う。




■優秀作品「私にできる防犯対策」南相馬市立原町第三小学校 6年 鎌田真有さん
■優秀作品「人間関係を生かした安全な地域作り」南相馬市立小高中学校 2年 渡辺裕也さん



 「おはようございます。」 「おはよう。気を付けて行ってきてね。」
 私たちが集団登校で国見町の通学路を通るとき、オレンジ色のぼうしをかぶったおじさんやおばさんたちと、毎朝あいさつします。この、おじさんやおばさんたちは、国見町福祉委員会の人たちで、今年の3月から登下校のときに道ばたに立って私たちを見守ってくれているので、安心して学校に通うことができます。
 去年から今年にかけて、私たちと同じ小学生が、学校から帰る途中殺されてしまうというおそろしい事件が起きています。特に、隣の栃木県日光市で起こった事件は、まだ犯人がつかまっていません。「お父さんや、お母さんが小学生のころは、こんなこと無かったのに。何でこんな時代になったのかなあ。」テレビのニュースをみていた父が言いました。私も、なぜ何もしていない小学生か殺されなければならないのか分かりません。
 私は、4年生のときからマーチングバンド部に入っていてガードを担当しています。9月には県大会があるので、毎日帰りが遅くなる私を心配して、父が防犯ブザーを買ってくれました。でも、これまでに一度も使ったことはありません。
 学校では、手を引っぱられたら自分の親指の方に手を引くとか、車が向いている方向と逆の方向に逃げるということや、なるべく集団で帰るということを教わりました。でも、実際に連れ去られそうになったときは、防犯ブザーを鳴らしたり、手をふりはらって逃げたり、大声で助けを呼ぶことができるかどうか分かりません。
 車の中から手をつかまれそうになっても、届かないところまで離れなさいと言われても、どれ位離れればよいのでしょうか。大声で助けを呼ぶにしても、何とさけべばよいのでしょうか。「きゃー。」とさけべば、まわりの人たちは気が付いてくれるのでしょうか。動物におどろいてさけんだり、ふざけているだけだと思われないでしょうか。「変な人に声をかけられたら、近くの家に逃げなさい。」と言われますが、変な人とはどういう人なのでしょうか。悪い人と良い人は見ただけで分かるのでしょうか。人を見分けるのは大人だって難しいのではないでしょうか。
 ではどうすれば良いのでしょうか。人を見分けるのは難しくても、危険な場所を探すことは、私たちにもできると思います。悪いことをする人たちが好きな場所は、「入りやすく、見えにくい」場所だそうです。大人の目の高さと、私たちの目の高さは違います。私たちの目の高さで、いつも通っている道や、遊んでいる場所について、よく考えてみると、「あそこの公園」、「あのわき道」というように、危険な場所がでてくると思います。そして、ひとつの地図にまとめれば、防犯マップとして使えると思います。そのとき防犯灯の位置なども書き入れておくと、暗くなったときに大人の人に見てもらえば、明るいときは安全でも、暗くなったときに危険になる場所も分かると思います。ですから、危険な人よりも、危険な場所を確認し、例えば木がおいしげっていて、中の様子がよく見えない公園があれば、木の枝を切ってよく見えるようにするとか、何かが起こる前にできること、しておかなければいけないことが分かると思います。
 だいぶ前に、NHKの「難問解決ご近所の底力」という番組で、犯罪から子どもを守ることが放送されました。そのなかで、誰でもできる簡単見守り術として、京都市左京区では、散歩や家の前の掃除などを子どもたちの登下校の時間に合わせてもらい、ついでに子どものようすを見守ってもらうということでした。
 隣の鹿島区でも、老人クラブのおじいさんおばあさんたちが、「子ども見守り隊」を作って、登下校の見守りを行っていますし、橋本町でも見守りをしているようです。
 このように、見守りをしてくれる人たちが、私たちの学区だけでなく、市内、県内、全国に広がれば、いつも誰かが見ていることになり、私たちが犯罪にまき込まれることも少なくなると思います。そして、できることなら見守ってくれる人たちがいなくても、安心して学校に通える日が来れば良いと、私は思います。



 「地域の安全は地域で責任を持つ」
 これが、日本の伝統だった。地域の人は皆顔見知りで、困った時には「お互いさま」の一言で互いに助け合うことがよくあったそうだ。この、「お互いさま」の言葉は、最近あまり聞かれなくなった。都会を中心に、皆、自分の生活を大切にしすぎて、人間関係がうすれてきたように思う。
 最近、日本の各地で、誘拐され殺される小学生や、一人暮らしのお年寄りを狙った詐欺事件などのニュースをよく目にする。私の住んでいる南相馬市でも、中学生が登校途中、二人組の若者にいきなり暴力をふるわれ怪我をしたり、下校する時、自転車置き場で不審者に自動車に乗せられそうになったりした事件が起こっている。こうした事件は、いつ、どこで、誰が被害にあうか分からないし、防ぐのはとても難しいと思う。事件が増える原因となる問題もいくつかあると思った。
 第一の問題は、近所の人との人間関係作りだ。昔の人々は、隣組などの仕組みで普段から行き来するなど、常に身近にいる存在だった。そのため、近所の人が困っている時など、気軽に手助けしたり、何かあったら注意し合ったりできる人間関係が大切にされ、事件が起きるのを防いでいた。
 しかし、今は、そのような仕組みが少なくなったため、近所の人との人間関係が作りにくくなってきている。そして、こうしたことが犯罪が多発する原因になっているのではないかと思う。
 第二の問題に、交通機関の発達がある。自動車が増え、道路が良くなり、高速道路などができたことで、人の移動が便利になった。その分、犯罪を犯す人も広い範囲で移動でき、たくさんの被害者を出してしまう事になった。多少遠くても、犯罪者は事件後素早く逃げてしまえるので、犯罪者を逮捕し、再犯を防ぐことが難しいからだ。
 第三の問題は、家庭の環境が変化してしまったことである。以前は、祖父母、父母、子の三世代が一緒に生活している家が多く、大人全員で子どもを見守っていた。だが現在は、親子二世代家族、いわゆる核家族が増えてきている。そのため、親が仕事に行っている時など、安全を見守る人がいないことが多い。
 私が小学生の頃、毎朝祖父母が、交通量の多い横断歩道を渡り終わるまで見送ってくれた。また、下校が遅くなった時は、学校まで迎えに来てくれていた。しかし、友達の中には、仕事の都合や家の事情でできない家も少なくない。
 また、現在、高齢化社会になってきているため、一人暮らしのお年寄りも増えてきている。テレビでそうしたお年寄りを狙った悪質なリフォーム詐欺事件があった。そうしたお年寄りは、何かあっても相談する相手がいないため、簡単にだまされてしまう。もし、そうしたお年寄りにも、地域に相談できる人がいれば、このような事件も減り住みよい地域になるだろう。
 これらのことから言えるのは、
「今の問題は、地域だけでなく、家庭環境の変化も原因になっている。」
ということだ。
 私たちは、学校で「防犯教室」に参加して、不審者に出会った時の安全な行動について教わった。また、全員が「防犯ブザー」を身につけている。しかし、子どもの力は大人に比べてずっと弱いため、自分の安全を守る力もずっと弱いと思う。だから、犯人も力が弱くだましやすい子どもやお年寄りを狙ってくるのだ。
 それでは、これらの問題をどうしたら解決できるだろう。
 まず最初に、昔のような地域の人間関係作りが大切だと思う。仕事や家庭の事情で子どもを見守れない家でも、地域全体で助け合えば、きめ細かく安全が守れると思う。
 第二に、地域の安全マップ作りや「防犯教室」である。事件が起こりそうな場所や、これまで起きた事件から、どうすれば安全を守れるかは、だいたい予測できると思う。
 最後に、家庭の人間関係の見直しである。最近、学校であったことなど家の人などに話さない同級生がいる。ちょっとしたことや気づいたことを普段から話し合える家族関係を作れば、自分たちの安全を守るのに役立つと思う。
 私たちはこれまで、安全な生活があたりまえのように思ってきた。しかし、最近の事件から私は、安全は自分たちで作っていくことが大切だと気づいた。そのためには、日本の伝統の良さを生かした、地域全体の人が一つの大家族のようになって弱者を皆で助け合っていくことが必要だと思う。
 「地域の力を生かした安全な地域作り」
これが私たちに課せられた新たな目標だと思う。


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